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キリスト信仰におけるアイデンティティ

11 愛する者たち、私は勧めます。あなたがたは旅人、寄留者なのですから、たましいに戦いを挑む肉の欲を避けなさい。

12異邦人の中にあって 立派にふるまいなさい。そうすれば、彼らがあなたがたを悪人呼ばわりしていても、あなたがたの立派な行いを目にして、神の訪れの日に神をあがめるようになります。(ペテロの手紙第一2:11-12 新改訳2017)

使徒ペテロは、彼の第一の手紙の中で、小アジアのローマの都市にあった、5つの初代教会の新信者を励ましています。 聴衆は、ローマから追放されたユダヤ人クリスチャンと、故郷に住んでいて信仰を持つようになった異邦人が混在していると考えられます。 いずれにしても、これまでの生活では当たり前だったことが、今では異質なものとなっています。すべての罪のために十字架にかけられ、復活したキリストに仕える者にとって、もはや神殿での偶像崇拝や動物の生け贄は必要なくなったのです。

初期のキリスト教徒は、もはや社会に適合せず、追放されました。 彼らの新しいアイデンティティは、この世ではなく、キリストにあったのです。そのため、彼らは信仰のために迫害されました。ペテロは、苦しみを受けて栄光に帰されたキリストは、信仰を持ち続けた人々にも栄光を与えてくださるのだ、と彼らに説きました。

今日、モデルナ製コロナワクチンの2回目を接種してきました。ちょうど1年前、私と私の家族にとって、パンデミックは差し迫った現実のものとなり、学校はすぐに対面式の学習からオンラインへと変わりました。現在、私は家庭教師や代用教員に戻っていますが、私の州ではK-12の職員が接種順位1bなので、ありがたいことだと思っています。

ウイルスがどのようにして人体に侵入するのか、ワクチンはどのように作用するのかを考えるとき、私の頭に浮かぶ言葉は「アイデンティティ」です。神様は人間の身体それぞれに独自性を持たせ、それを免疫システムが管理しています。 「自分自身」として認識されていないものが体内に入ると、アレルギー反応や免疫反応が起こります。 アレルギー反応とは、ホコリやペットのフケ、花粉などの単純なものから、クロゴケグモやマムシの毒のような致命的なものまであります。

しかし、ウイルスのように単純で微細なものが、どうして免疫反応を引き起こすのでしょうか? COVID-19パンデミックの原因となっているSARS-CoV-2ウイルスは、吸着スパイクを持つタンパク質の殻と、ウィルス合成のための情報を持つ一本鎖RNAという、2つの主要な要素で構成されています。

そう、ウイルスはあまりにも単純で、単体で増殖することすらできないのです。しかし、だからといって、ウイルスが致命的な病気を人体に持ち込むのを阻止することもできないのです。

SARS-CoV-2ウイルスが呼吸器系に侵入すると、鼻腔の内壁にある特定の受容体を持つ細胞を識別し、スパイクたんぱく質がその受容体に吸着します。 タンパク質の殻は細胞の外に残り、役目を終えます。

RNA鎖は細胞内に注入され、細胞をハイジャックして複数のタンパク質の殻とRNA鎖を作り出します。 これらの構成要素は、多数の新しいウイルスに組み立てられ、感染した細胞から飛び出し、多くの場合、その細胞を死滅させます。

ウイルスが増殖するにつれ、感染者は特に最初の1週間ほどの間に大量のウイルスを排出することがあります。この時点では症状が出ないこともあり、または発熱、空咳、喉の痛み、嗅覚や味覚の喪失、頭痛や体の痛みなどの症状が出ることもあります。 





title: ウィルスの増殖   1.吸着   2.ゲノム注入  3.RNAの複製  4. ウィルス粒子の出現 5.ゴルジ装置でウィルスの組立 6. 新しいウィルスの放出

それぞれの新しいウイルスは、気道に沿って表面の受容体を持つ別の細胞を見つけ出し、侵入します。ウィルスが気道の奥に入り込めば入り込むほど、この表面受容体の数はもっと多くなり、さらに致命的な侵入となります。肺の細気管支の、もっと細くて先の方にある枝は、肺胞という小さな空気の袋の集合体に達しています。小さな袋、肺胞嚢の一つ一つは、受容体を豊富に含む細胞が単層で覆っています。受容体の役割は、血液中に酸素が取り込まれる際にきわめて重要となる、血圧の調整です。

SARS-CoV-2ウイルスが体内に侵入すると、直ちに異物として認識されます。 免疫系はそれを破壊しようと抗体を作り始めます。科学者たちは、COVID-19の生存者が、罹患していた時からの記憶細胞によって、どのくらいの期間守られるのかを研究しています。





②mRNAがヒトの細胞に侵入 ③細胞がスパイクたんぱく質を合成 ④スパイクたんぱく質を免疫系が認識する ⑤抗体が作られる ⑥ 侵入したウィルスに対して免疫が反応する

モデルナのワクチンは、ウィルスと同じ免疫反応のプロセスで働きます。ワクチンには、SARS-CoV-2ウイルスのメッセンジャー(mRNA)の断片が含まれています。このmRNAが細胞内に入り、細胞を乗っ取ってスパイクたんぱく質の粒子を生成します。 体はこのスパイクたんぱく質を異物と認識し、免疫反応を開始します。 抗体が作られ、SARS-CoV-2ウイルスを破壊するとともに記憶細胞として残り、その後の感染から体を守ることが期待されます。

SARS-Co -2は新型ウイルスであるため、科学者は変異種に対するワクチンの有効性について研究を続けています。ウイルスはゲノムが非常に小さく、RNAの複製中に発生したエラーがたんぱく質スパイクの構造変化につながるため、突然変異が起こりやすいのです。 ワクチンで作られた抗体は、変異種を認識するでしょうか?ワクチンに変更を加える必要があるでしょうか? すでに接種済みの人に、追加ワクチンを打つ必要があるでしょうか?

1世紀のキリスト教徒にとって、聖霊は究極の免疫システムのようなものでした。ウィルスに対抗するためにワクチンを求める私たちとは異なり、キリストにあって新しいアイデンティティを得た信者たちは、自分の体が望んだように「悪しきもの」を体から撃退するために聖霊を得たのです。彼らは自分の中にある悪しき肉の欲望からだけでなく、「間違っている」と周囲の社会からも批判され、攻撃を受けていました。幾度となく沸き起こる内外からの非難は、まるで変異種のように、彼らの得た新しいアイデンティティに戦いを挑んできたのです。

新しいワクチンがCOVID-19の変異種に対してどれだけの効果があるのか、また、ウイルスに打ち勝った身体は、再感染を阻止するためにどれだけ長い間その記憶を保持できるのか、まだ誰にもわかりません。しかし、イエスに従う者として、私たちは初期の教会と同じように、キリストがあらゆる種類の攻撃に耐えるために必要な力を与えてくださるという信仰に立つことができます。私たちが主に目を向け、主の力を引き出し続けるとき、私たちは周囲に良い影響を「感染させる」ことができるという望みが与えられます。

今週の日曜日、世界中のクリスチャンが復活した救い主、イエス・キリストを礼拝します。ペテロが教会の人々に、「あなたがたのうちにある希望について説明を求める人には、だれにでも、いつでも弁明できる用意をしていなさい。ただし、柔和なこころで、恐れつつ、健全な良心をもって弁明しなさい」(ペテロの手紙第一3:15-16新改訳2017)と勧めたように、私たちも同じようにしなければなりません。私たちは立ち上がり、罪の破壊的な広がりを防ごうとするとき、世界が見ています。私たちの人生の中で、誰かが今、暗闇の中で出口を求めているかもしれません。このイースターに、キリストの「伝わりやすい」愛と希望を最も必要としている人々に広められるよう、神の恵みがありますように祈りましょう。

SARS CoV binding to ACE receptors Illustration 178593136 © Katerynakon | Dreamstime.com

MRNA Schematic Illustration 208449737 © Alexander Kovalenko |  Dreamstime.com

 Coronavirus replication Illustration 177685518 © Designua | Dreamstime.com

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