33 これらの日の後に、わたしがイスラエルの家と結ぶ契約はこうである-主のことば-。わたしは、わたしの律法を彼らのただ中に置き、彼らの心にこれを書き記す。わたしは彼らの神となり、彼らはわたしの民となる。(エレミヤ書31章33節 新改訳2017)
この聖書の一節は、預言者エレミヤを通して告げられた神の「新しい契約」の約束を述べています。石の板に書かれた古い契約とは異なり、この新しい契約は人々の心と想いに刻まれ、外側からの強制ではなく、内側から神に従いたいと思うようになります。この内面の変革によって、神は本当に人々の神となり、人々は本当に神の民となることを確実にし、真の交わりと永遠の赦しに至るのです。
同様に、『箴言』の著者も「神の言葉を心に刻む」ことの重要性を語っています。そうすることで、人は知恵を得るのです。
1 わが子よ、私の教えを忘れるな。
心に私の命令を保つようにせよ。
2 長い日々と、いのちと平安の年月が、
あなたに増し加えられるからだ。
3 恵みとまことがあなたを捨てないようにせよ
それをあなたの首に結び、
心の板に書き記せ。
4 神と人の前に好意を得、聡明であれ。(箴言3章1節-4節 新改訳2017)
座って何かを書こうとしても、言葉が出てこないことはありませんか?あるいは、あなたの字は読みにくい、とよく言われませんか?実は、書くときの思考及び身体活動はとてつもなく精巧で複雑な工程であり、脳のいくつもの部分が関わるのです。私たちが書くときになにかしらの事で苦労するのは不思議ではありません。脳内では沢山のことが起こっているのです。

書くこと―思考の観点(アイデアを生成し、まとめる)から見ると、前頭葉・頭頂葉・側頭葉を中心とする複雑な脳領域ネットワークを使います。ほとんどの人では、これらは主に左半球が担っています。このプロセスは、アイデアの生成、言語の構成、運動の実行、に分けられ、それぞれが異なる脳領域に依存しています。
アイデアの生成と計画
・前頭葉:自発的行動を制御する前頭葉は、文章の内容と構成を決める高レベルの計画性と論理的思考を管理する。
・海馬:この領域は記憶の呼び起こしに不可欠であり、文を書くときに活かすことが出来る過去の出来事や事実、アイデアにアクセスし想起することができます。
言語処理
• ブローカ野:左前頭葉に位置するブローカ野は、言語生成に不可欠であり、考えを文法的に正しく首尾一貫した文章(口頭表現と文章表現両方)へと変換します。
• ウェルニッケ野:左側頭葉に位置するウェルニッケ野は、言語理解を担い、これにより自身が書く言葉や文章の意味を理解することができます。また、修正においても重要であり、書いた内容と言わんとすることを比較するとき役立ちます。
• 角回:この領域は視覚、聴覚、その他の感覚情報を統合し、言語処理を行います。知覚された単語とその意味を結びつける上で極めて重要であり、損傷すると書字障害(失書症)を引き起こします。
• 紡錘状回:特に手書きにおいて重要であり、左紡錘状回は視覚的単語認識と正字法コーディング(単語のつづり方)に関わっています。
手書きする時の身体の動きに関しては、脳の他の領域が活発に働きます。
運動制御
・エクスナー野:左前頭葉にある特殊な領域で、手書きに必要な正確な手や指の動きの「運動記憶」を保持します。
・前運動野:この領域は運動の計画を担当しており、手書きやタイピング行為の前に、手や指の動きを準備します。
・運動野:運動野は前頭葉の後方にある帯状の領域で、文字を書いたりキーを押すのに必要な手の動きを実行するために、筋肉へ信号を送ります。
・小脳:この領域は書くために必要な運動を調整し制御します。特に手書きの際に活発になり、動作を滑らかにします。
・上頭頂皮質:この領域は、文字の大きさ・形・ページ上での文字の位置をコントロールするために必要な空間処理を担当します。
最後に、手書きとタイピングの違いについて。fMRI を用いた研究によると、手書きはタイピングに比べて、より広範な脳領域のネットワークを活性化させることがわかっています。そのため、教師の多くは、学生に授業中タイプでノートを取ったり口述させるよりも、手書きでのノート取りを促すよう推奨されています。
• 手書きは運動制御、感覚フィードバック、記憶に関連する追加領域に関与し、より複雑な神経接続をもたらします。
• タイピングはより単純な運動技能を伴うため、活性化される脳領域のネットワークが小さい。この違いが、なぜ手書きがタイピングに比べて記憶保持や学習に良いのかを、説明しているのかもしれません。
「神の言葉を心に刻む」という点において、神の言葉を覚えることは、あらゆる状況下であなたの思考や視点に影響を与える力を持っています。また、聖書について日記をつけること(手書きでもタイプでも)が、否定的な思考と戦うためのもう一つの有用な手段だと感じる人もいます。しかし、どのような方法で言葉を書き記すにせよ、聖書と向き合うたびに私たちの脳が行う驚くべき複雑なプロセスに、私たちは皆、感嘆せざるを得ません。私たちの心に御言葉を刻むための多くの方法を与えてくださったことを、神に感謝します!
https://dev.taleafrica.com/addread/writing-as-a-motor-function-and-its-brain-mechanisms/